バッドエンドオリンピア








 牙が3本生えてきた頃、アドリビトムの忙しさは火を噴く勢いだった。ディセンダーの存在が公になってきて、オルタ・ビレッジや元暁の従者らの根回しでギルド自体の評判が各国重鎮の耳にも入るレベル。特にリタやハロルドの科学者達の激務は半端無く、科学部屋に籠もりきりになって朝昼晩の区別がつかない。現在のラインは主に次元封印の構築といった所か、素材もやっと3つ目が判明して目処が立ったばかり。それでもニアタが船に乗ってからはかなり捗り、少しずつだが確実にその歩みは進んでいた。

 そんな日々の折、リタは誰も居ない科学部屋で一人本を読みながら遅い昼食を摂っていた。少々行儀が悪いが、どうせ食事が終わってもまたこの部屋に帰るのだから行くのも無駄、と弁を取り食堂からのテイクアウト。元々科学者らは現在の所依頼よりも、世界救済を優先するようギルドリーダーからのお達しが渡されている。
 これもあるため、何時も一緒に食事を取るエステル達も最近では遠慮して声をかけてこない。研究も大事だし世界も救わねばならないが、せっかくの友人との付き合いを世界規模で邪魔されている気がしてならない。リタはそんな複雑な心情ごと、ムシャムシャと処理する勢いでサインドイッチを食いちぎった。
 ぽろぽろとパンくずがページの上にこぼれ、おっといけないと手でさっと払う。これはアドリビトムに来てからクセになった動作で、元々ガルバンゾに居た頃はソースが垂れようがあまり気にしていなかった。国では訳あり一匹狼みたいな体で通っていたリタを注意する人間は居なかったし、されるのも嫌がった。
 だがこのギルドの人間は違う。大人や保護者が多いのもあるが、大きなお世話だとトゲを出して拒絶しようがお構いなく構ってくる人間ばかり。食事のマナーや言葉使いなど、小さなコンシェルジュにお説教までされる。船に来た当初はうるさい国からの指示から逃げられた上、好きな研究を思いっきりできると心は弾んだが、こうなってくるとこれはこれで少し面倒に感じた。
 それでもここでは相対するような天才も居るし、エステルの様な大事にしたいと思える友人もできた。気がついたら自分が転がしていた雪玉は自分の中でかなりの大きさになっていて、まさかこうも自然に変わってしまうとは思わなかった。感慨深い考察に、リタは思考の海へ沈む。これもよく注意されるが、今の所部屋に誰も居ないのでそれを咎める声も飛んでこない。

 コンコン、声は無いが音が飛んできた。発生源を見れば扉にユーリが一人、いつの間に入ってきたのか。入ってきてからノックなど、無意味な気がしてならない。しかしこの船の大半が自動ドアであるわけで、どちらかといえばノックより声掛けか。それもなんだか真面目ぶった感じがして、一部わざとしない天邪鬼も出る始末。入った後でもノックを試みる辺りまだマシなのか微妙な線だろう、恐らくフレンに口煩く言われたのだろうとリタは当りをつけた。

「今いいか?」
「何よ、なんか用」
「ドクメントって、どこまで詳しく分かるんだ?」
「その気になれば殆どの事は分かるけど、細かい展開はダメージが大きいしヘタすると後遺症が残るかもしれないから無理」
「そうか……」

 以前語った通り、表層面でもある程度の事は分かる。しかしその程度ならばわざわざ展開しなくとも、基本的なプロフィールから割り出せる事実が殆ど。潜在能力が分かるのはいいかもしれないが、適正を知ったとしてそれが本人の望む方向性と一致するかはまた話が別だ。あまり未来の幅を狭めてしまうと、本来の能力を鈍らせるかもしれない。役に立つならば持病か隠された病巣を発見できる事くらいだろう、そこまで説明してユーリは身を乗り出した。

「病気とかなら、ダメージ無く分かるんだな?」
「実際病人のドクメントを展開した事は無いけど、まぁ見れば分かると思うわ。なに、誰か病気? ……もしかして、あんた?」

 それに苦い顔で笑うユーリ、その顔にどきりと嫌な汗が流れる。

「いやちげぇよ、ルークを見てやってくれねーか」
「……ルーク。……ああ、あの赤ロン毛」
「お前その呼び方、リヒターと被ってんぞ」
「あんたのお坊ちゃん呼びと大差ないじゃない」
「それを言われると痛い」

 ルークと言われて、リタは少し逡巡して思い出した。ライマ国の生意気王子で、この天才である自分に無謀にも知識勝負を仕掛けてきた赤毛。リタの中では大体こんなイメージで、ここ最近は忙しい事もあり科学室にも顔を見せていない。
 そういえば何時からユーリはあの赤毛を”お坊ちゃん”ではなく”ルーク”と名前で呼ぶようになったのか。記憶を巡らせてもあまり思いつかない、なんとなくモヤモヤする胸の内をリタは黙った。

「何よ、あいつどっか悪いの?」
「んー、まぁちょっとな」
「頭が悪いってんなら調べるまでもないと思うけど」

 どれだけ知能を高められるかというのも調べようとすれば分かるが、これは努力次第で変動可能なので大して意味は無い。ちなみに一部の女性から胸部の将来的希望値を薄ぼんやり、傷つかない程度に知ることは出来ないかと聞かれた事もある。その質問にリタはパンドラの箱は開けない方が良い、と重い顔で諭した。勿論自分で試して見たわけではない、リタ本人の名誉のために言っておこう。

「我儘も可愛いもんだぜ、あれで甘えてんだ」
「何その台詞、分かってますって顔が余計ウザいんだけど」
「まぁなんだ、理解してるさ。ルークの事くらいはな」

 自分で言って少し照れたのか、誤魔化すように口角を上げて笑うユーリにイラッとした。以前廊下で見かけた時はルークが一方的に大声で怒り、ユーリは涼しい顔で煽って遊んでいたというのに。一体どんな天変地異が起こってこんな事になっていたのか……、世界はあまりに目まぐるしく変わり過ぎである。

「惚気にきたんなら帰ってくれない?」
「別に惚気てなんてないだろ。そうじゃなくて、最近あいつの頭痛が酷いんだ」
「頭痛? あいつ頭痛持ちだったの?」
「ああ、昔かららしい。国の医者でも理由が分からないって言われたんだとよ、それでも頻度は偶に程度だったんだけど」
「それが最近多いって?」
「ああ、今じゃ毎日だ。それに痛みも相当みたいで、酷い時は気を失っちまう」
「気を失う……? それは確かに気になるかも、アニー達には見せたの」
「アニーにも街医者にも見せた、けど表面からだと今以上は分からないって言われちまって。痛み止めも効かないし、ほっとくにはあんまりにも痛そうなんだ」
「ふーん……」

 バンエルティア号の知識保有量は相当で、博物学者や薬草、薬学知識持ちも多い。ヒーラーも多く、怪我などの外部治療にはめっぽう強い。しかし反面医療に関してはそこまで高くない。アニーやルカ、医者志望や医療知識を持つ人間はそれなりに居るが、実際の医者は一人も居ないのだ。
 流石に信頼を置くアドリビトムの科学者達にでも、体を掻っ捌いて内蔵や脳を見てもらいたいと言うにはハードルが高すぎる。そればかりは専任の医者に頼みたいのが船員の総意だった。
 なのでドクメントを展開できるようになり、健康診断のようなものが一時期流行った。その大半が腰が痛いだの背は伸びるのかなど、リタからすれば冒涜的な使用法だ。……それでも食物の消費期限や古物の価値を見させられるよりは、マシかもしれないが。

「そーいえばあの時期、あいつは来なかったわね……」
「ライマの奴らにも相談してな、一度リタに見てもらえって言われたんだ」
「あんた何時からあいつの使用人に鞍替えしたの」
「言うなって、自分でも気にしてんだから」

 ハァ、と目の前で溜息を吐かれるが、その表情は満更でも無さそうだ。リタはまたイラッときて、ファイアーボールを放ちたくなった。
 ルークと最後に顔を合わせたのは結構前で、次元封印の作業が始まると会わなくなったと言ってもいい。なのでリタの中のイメージは、未だクイズに勝てなくて悔しがるあの顔のままなのだ。そのルークが激しい頭痛で気を失う程苦しんでいる、しかも毎日……。いまいち想像がつかないが目の前のユーリが直接動くくらいには深刻なのだろう、入ってきてからの表情は基本厳しい。次元封印の作業は確かに重要だが、明日明後日が締め切りというわけでもないのだ。リタは頭の中でスケジュールを調整し始めた。

「んじゃ見てあげるから、あいつ連れて来なさい」
「助かる、悪いな。何時行けばいいんだ?」
「何時でもいいわよ、なんなら明日でもいいし」
「んじゃ朝から頼むけど、いいか?」
「はいはい、用意しとくわ」

 なら頼む、そう言って部屋を出たユーリの顔は真剣だった。本気で心配しているのだろう、それを頼りに自分を選んだ点はまぁ、気分はいいかもしれない。リタは立ち上がり、明日に向けての資料を用意し始めた。

*****

 明くる日、科学部屋。リタは一人苛ついていた、昨日朝に来ると言っていたというのに、10時を回ってまだ姿を現さない。せっかく科学部屋のメンバーに頼んで午前中を貸切にしてもらったのに、それとも10時はまだ朝の範囲だとでも言い訳するのだろうか。ここまで待てば自分から出向くのも腹立たしい、意地でも待ってやるという気持ちだった。

 プシュ、と待望の音。扉が開いて入ってきたのはユーリとルーク。早速ファイアーボールをお見舞いしてやろうと立ち上がったが、ルークの顔色が土気色でフラフラしている。どう見ても不調そうで、苛立っていた心が一気に裏返った。

「ちょっと! あんた大丈夫、ひっどい顔色よ」
「待たせて悪かった、来る前に頭痛が起きてな。さっきまでベッドで休んでたんだ」
「失神したの? それなら一言言えばいいじゃない、こっちから行ったのに」
「悪い、離れたくなくてよ」
「あんたねぇ……」

 言いながらも椅子を出して、ふらつくルークを座らせる。息も深く、俯きがちだ。ユーリは眉根を寄せながらもルークの首筋に手を当て、脈を見ている。その顔色はやはり良くない、こんな調子では単純に展開する事も控えた方がいいように見えた。

「今日は止めといた方がいいんじゃない? 今の体調じゃ毒よ」
「……そうだな。悪い、こっちの勝手で空けてもらったのに」
「別に。今度調子のいい時に声かけて、こっちから行くから」
「ああ、分かった」

 しかしルークの方から、割合強い音量で声がかかった。

「いや、やっちまってくれ。良くなるまで待っても来る途中でなっちまったら一緒だろ」
「おい、ルーク……」
「いいから、タイミングなんて分かんねーんだし。調べてもらうなら早いほうが気が楽なんだっつの」

 顔色は悪いが声は思ったよりしゃんとしている、意識と体調がリンクしていない印象を受けた。どうにもチグハグな感じがして、リタは微妙な違和感を感じる。
 もし体内で何か問題が起こっているなら確かに早い方がいい、発見が遅れれば遅れるほど手段は狭まってしまうのだから。それに本人の意思は硬そうであるし、いっそ今日やってしまうのも手か。

「言い出したら聞かねーからな……」
「仕方ないわね、ちょっと待って……たしかここに」

 リタは棚をあさり、一本の杖を取り出した。それは今まで重要任務で何度も利用したコピーズロッド、対象のドクメントを転写する杖。

「これに転写すれば、最小限の負担で済むと思うわ」
「…そっか、なら頼む。ルーク、いけるか?」
「ああ、やってくれ」
「表層展開するだけでも体力は使うから、気は抜かないでよ」



 ユーリにロッドを渡し、リタは両手をルークに向けて魔力を集中させた。するとぽわん、とルークの周りを取り囲む光の輪が出現する。キラキラと不思議な輝きを放ち、ゆっくりと回っている。その光の帯の最上段だけが、ルークの髪のように朱色に染まっていた。
 その光景にリタは見覚えがあった、他世界の記憶を保有していたカノンノのドクメントと同じなのだ。

「……はぁ、」

 ルークはすぐに息切れし、汗を滲ませた。傍のユーリがロッドを掲げ、転写する。ロッドの尖端が光ったのを確認したリタはすぐにドクメントを閉じた。光の帯がかき消えれば、ルークは体をふらつかせてへたり込む。ユーリが慌てて支えるが、その表情には焦りが見える。脈と熱を計って、その肩を取った。

「わり、ちょっと医務室行くわ。後頼んでいいか?」
「いいわ、こっちは任せといて」

 それじゃ頼む、とすぐに二人は部屋を出た。やはりドクメントといい不安定な体調といい、ルークの体には何かあるのかもしれない。カノンノの時も驚くべき秘密が隠されていた、あの時は次元封印のヒントになったが……。今回のルークはあの時と違いすぎる気がする、悪い方面に。
 リタは机に向かい、用意していた資料をどさりと準備した。とりあえず調べてみるしかない、ごちゃごちゃ言うより行動。次元封印の作業もあるがユーリに直接頼まれた案件であるし、自分ならば同時進行でもやってみせる。それにやはりルークのドクメントは気になるのだ、何となく胸をかき乱す気がした。
 ドクメント展開が出来るようになってから、今まで幾度となく様々なドクメントを見てきた。なのである程度は帯の構成規則性の当りをつけている。なのにさっき見たドクメントは所々違っていたような気がする、なんというか短いような、隙間が気になるのだ。

 リタはロッドを手に取り、データ出力し始めた。案外、何でもないかもしれない。あの頭痛もただそういう時期というだけだった、なんて笑い話になればいい……。そんな希望を込めてリタは解析を始めた。

*****



 ドクメントの解析は主にリタかハロルドのどちらかが行なっている。それは元々理系学者として、こっち方面に強いのがこの二人だという事と、ドクメントを読み取るセンスが必要とされたからだ。
 ドクメントの解析は難しく、滅びた古代文字の解読と似ていた。意味を理解し、時には突飛な解釈も必要とされる。ソウルアルケミー伝承のミブナの里出身であるしいなは、幼い頃から感覚的に教わっていたのか、解読はできるがそれを抜き出すだけであり、現代の用語として翻訳する術に長けていない。他にも理由はあるが、古い知識と最新の知識を持つ稀有な二人にしか現在ルミナシアにおいては現代的な活用はできていなかった。それ以外となると後はニアタか、古い時代から今でも生きている種族くらいなものだろう。

 だからこそ、リタは愕然とした。ハロルドとの読み精度はほぼ互角と言っていい、だから例え他者にこれを見せても自分が解読した結果を外れる事はないだろう。けど、外れてほしい。自信家であるリタだが、心の底から初めてそう思った。これを見た時ハロルドならばなんと言うのだろうか? ご愁傷様? 改造手術でも薦める? 他人からすれば無責任そうな言動でも、ハロルドなりの矜持で科学の結果を大事にしている。

 ドクメントから資質を読み取る事はそう難しくない、筋力・成長値・抵抗値等々。多少は雑把だが、その数値から算出された選択肢の幅を狭めていって結果を決定する。
 寿命を測るのは成長期待度合いと肉体の消耗具合、身体的に持病か何かのハンデを考慮したもので計算する。10代の子供ならば消耗度は低く、成長値が高い。歳を重ねた老人ならばその逆。医療チームの意見を参考にして導き出した公式の一つなので、万人万物に当てはまるかはまだ分からない。しかしこれを証明するにはかなりのケースと年月を用意しなければならないので、今の所はこれを正式に採用している。

 リタがどれだけ頭の中で思考を巡らせて否定しても、今までの知識がその否定を否定していく。無理、ありえない、これ以外考えられない。……どうやっても、辿り着く結論はただひとつ。

 思い余って机を叩く、コピーズロッドから印刷した資料が憐れにも舞った。無意識に息を詰めていたリタは、ハァハァと呼吸を繰り返す。時間は深夜、他のメンバーは既に部屋に戻っている。部屋の電気も点けずスタンドライトの明かりだけが周辺を孤立させるように照らしていた。
 パラパラと床に散っていく紙、ひらりと正面に落ちてきた一面は偶然か皮肉か。ドクメント対象者の数値が羅列し、目にしたくないのに入れてしまったリタは、拒絶しながらも目が勝手に読んでしまう。自分の天才さを今日ほど憎らしいと思った事は無い、嫌なのに、出来の良いこの脳みそが解析してしまうのだ。


ルークの寿命は、18歳まで――。


 ドクメントを目にした時、妙に密度が薄いと思ったのは間違いでなかった。ルークのドクメントは圧倒的に足りないのだ、身体数値の何もかもが。過去の数値が問題ではない、未来の……成長期待値が無いのだ。全く無い、ゼロだった。こんな数値、今にも死にかけの人間くらいなものだろう、それも怪我や病気の病人ではない、そう例えば寿命を全うした老人のような――。
 そんな事は有り得ない、ルークはまだ17歳で、他の数値自体は健康的な青年のそれだったのだから。なのになぜか、未来値だけが不自然に切り取ったみたいに無い。肉体耐久年数が、完全に使いきってしまっている。寿命が無いせいで身体の循環機能や免疫が殆ど作用していない、最近頻繁に起こるという頭痛は、終りに近い肉体年齢と反する意識の摩擦による悪影響なのかもしれない。



 どうしよう、どうすればいい? リタは頭のなかで反芻する。そしてふと思い出した、一ヶ月くらい前だろうか、エステルが楽しそうに言っていた話。

「もうすぐルークの誕生日だから、とっておきのケーキを作るんだってユーリが楽しそうにしてたんです。まだ一ヶ月先なのに、今から言っているんです。……ふふ、ユーリってば可愛いです」

 食堂で、惚気られているのにも気付かず自分のことのように喜んでいるエステルの笑顔。一ヶ月、一ヶ月――!
 もうすぐルークは18になる……! あの話は何時していた? 残り時間は後どれくらい残ってるっていうの?
 どちらにせよ、こんな結果をユーリに言える訳が無い。ガルバンゾに居た頃、権威に対して斜に構える者同士気まぐれで組む事もあった。相手はギルドの体裁をとっていたが、馬鹿みたいなお節介を焼かれたことはまだ覚えている。だからこそ、腹は立つがあの馬鹿面が曇るのも腹立たしい。それにあの馬鹿王子だって、未だに知識クイズで自分の全勝利ではないか。馬鹿ではあるが見込みはあるのだから、あのうるさい声が聞けなくなるのも納得いかない。

 そうだ、リタは決意を固めて拳を握りしめた。どうにかするしかない、まだ20年生きていない人間が老衰死などと、そんな馬鹿な事あってたまるものか――。世界の危機だってなんとかしてみせるのがアドリビトムなのだ、天才を自負する自分がなんとでもしてみせる。
 夜食にとロックスが用意してくれたサンドイッチをかじって、リタは残りの資料全てを引っ張り出し始めた。







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